帯状疱疹は加齢に伴って免疫力が低下することで発症します。50歳を過ぎると増え始め、80歳までに3人に1人がなるといわれているので、帯状疱疹にならないための予防方法について解説していきます。

帯状疱疹とは

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスが活性化することで発症する皮膚の病気です。体の左右どちらかの神経に沿って、痛みを伴う赤い斑点と水ぶくれが帯状にできます。

通常、皮膚症状に先行して痛みが生じ、その後皮膚症状が現れると、ピリピリと刺すような痛みとなり、夜も眠れないほど激しくなる場合があります。症状の多くは上半身に現れ、顔面、特に目の周りにも現れることがあります。

帯状疱疹の原因

加齢、疲労、ストレスなどにより免疫力が低下することが、発症の原因となります。
50歳を過ぎると発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています。
また、免疫力が低下する病気(糖尿病や癌など)が原因になることもあります。

帯状疱疹のメカニズム

帯状疱疹は、多くの人が子どものときに感染する水ぼうそうのウイルスが原因で起こり、水ぼうそうが治った後も、ウイルスは体内(神経節)に潜伏しています。そして、過労やストレスなどで免疫力が低下すると、ウイルスが再び活性化して、帯状疱疹を発症します。

発症すると皮膚の症状だけでなく、神経にも炎症を起こし痛みが現れます。神経の損傷がひどいと皮膚の症状が治った後に、痛みが続くことがあります。
日本人成人の90%以上は、このウイルスが体内に潜伏しているので、誰もが帯状疱疹を発症する可能性があります。

帯状疱疹の合併症

帯状疱疹後神経痛(PHN)

帯状疱疹で神経が損傷され、皮膚の症状が治った後も痛みが残ることがあります。3か月以上痛みが続くものを帯状疱疹後神経痛(PHN)と呼びます。

PHNは、「焼けるような」「締め付けるような」持続性の痛みや、「ズキンズキンとする」痛みが特徴です。
PHNになりやすい因子として、高齢、強い痛み、皮膚症状が重症などがあります。

また、50歳以上で帯状疱疹を発症した人のうち、約2割がPHNになるともいわれています。

帯状疱疹にならないために

帯状疱疹にならないために必要なことは、日頃から体調管理を心がけ、免疫力が低下しないようにすることが大切です。
加齢や疲労、ストレスは、免疫力の低下を引き起こし、潜伏していた水痘・帯状疱疹ウイルスの活性化につながります。

  • 食事ではさまざまな栄養素をバランスよく摂り、暴飲暴食を避けることが大切です。
  • 運動では散歩やウォーキングなどがおすすめで、日光を浴びることも免疫力アップにつながります。
  • 睡眠は身体をメンテナンスする上で重要な働きをしています。

帯状疱疹の予防方法

帯状疱疹の予防には、50歳以上の方を対象とした帯状疱疹ワクチンがあります。
多くの人が子どものときに水ぼうそうに感染し、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスに対する免疫を獲得していますが、加齢に伴って免疫力が低下してしまうため、改めてワクチン接種を行うことで、帯状疱疹を予防します。

予防接種は帯状疱疹を完全に防ぐものではありませんが、発症しても症状が軽くすむという報告もあります。

帯状疱疹ワクチンの実施について

当院で帯状疱疹ワクチンを実施していますので、詳しくはクリニックまでお問い合わせください。